生態系の回復

人工干潟でも立地と地形,砂浜材料が良ければ,生態系が比較的早く戻ると聞いたことがあります.

つまり物理環境が整っていればある程度の自然回復は可能だと.

よく引き合いに出しますが,横浜海の公園は人工干潟ですが,毎年アサリが大増殖して潮干狩りシーズンには大量に採れます.

とは言うものの,他の成功例をあまり聞いたことがないので,果たして「物理場」だけで環境を語って良いのだろうか,という疑問は若干ありました.

そうしたところ

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取水中止の影響?サケ・アユ遡上が3倍に

70年ぶりに水が戻り、遡上するアユとサケが大幅に増えた宮中ダム(新潟県十日町市で) 不正取水問題で水利権を取り消されたJR東日本・信濃川発電所の宮中ダム(新潟県十日町市)の上流で、今年は遡上(そじょう)するアユとサケの数が例年の3倍程度に増えたことが、地元漁協などの調査でわかった。
http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20091028-OYT1T00010.htm
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これはいいニュースですね.

JR東日本GJ!というところでしょうか.

本流をせき止めているダムだそうで,ダムと言うより取水堰なんですが
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%AE%E4%B8%AD%E3%83%80%E3%83%A0

ここで毎秒312トンの水を取って3つの発電所でまんべんなく電気を作り,それがJR東日本の電力の23%をまかなっているとのことです.

300トンといったらちょっとした川なら大洪水ですよ.

流量といい電力の分担率といい,すごいスケールですね.

そのため,ダム下流の35km区間で河川水量が激減していたらしいのですが,今回のトラブルを期に川に水が戻ったとのこと.

魚が増えたことと川に水が戻ったことの因果関係はまだよく分からないとのことですが,川が川らしくなれば魚も遡上しやすくなりますね,というのは通常の感覚でしょう.

物理場が整えばある程度の自然回復は可能だ,という証明になればいいなと思います.

ただし,人工干潟なども初年度は豊漁だけど次第に漁獲が減ってゆくということがよくありますので,少し長い目でモニタリングすることが必要だと思います.


悩ましいのは,「水力発電はクリーンエネルギー,電車は乗り物の中で最もエネルギー効率が高くCO2排出量が少ない」,という地球温暖化対策にはもってこいの組み合わせのはずで,その辺をJRあたりは強調していたと思うのですが,今回の件を期に無制限にダム撤去・取水中止の風潮が広まってしまうと厳しいですね.

ダムと環境,生態系の回復,水力発電の意義,電力消費社会など,様々な面から河川環境を考えるきっかけを与えてくれたことは意義が大きいと思います.

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