操船

船を操縦をしたことのある人なら分かると思いますが,船は車と違って「流される」「舵の効きが遅い」んですね.

車は地面にくっついているのでハンドルを切っただけ動くのですが,船は水の上に浮かんでいるので,自分の意志とは別に風や潮流によって流されます.また,ハンドルを切っても船の向きが変わるのには時間差があるんです.

ですから,流れの速い狭い場所での操船は非常に難しいのです.

護衛艦くらまと貨物船が関門海峡で衝突・大破したとのニュースが流れています.

海峡の幅は650m

結構広いように思われるかも知れませんが,それぞれの船の全長が130〜160mですので,全長の4〜5倍の水路幅しかありません.

船を操縦しているときの感覚では,ほとんどぶつかる寸前くらいの幅です.住宅街の狭い路地にトラックで入ってすれ違うような感じ.ちょっとハンドル操作を誤ったら塀にこすってしまうみたいな.

潮が流れているので,止まると危険.流されて船の向きが変わってしまう.

狭い場所で追い越すと,引き波で転覆しそうになるので危険.

一定のスピードで進路を変更せずまっすぐと走り抜けるしかないのです.

危険を察知して舵を切ったり,後進かけても,すぐには回避できないし止まれません.

全長5mの漁船で川幅200mの筑後川を走行していても,すれ違いや追い越しは緊張します.数メートルの漁船でもそんな感じですから,全長が100mを超えるような大型船で狭い海峡を走る場合はなおさらだと思われます.

------------------------
護衛艦衝突、海保誘導が原因か

関門海峡で護衛艦「くらま」(5200トン)と韓国のコンテナ船(7401トン)が衝突した事故で、第7管区海上保安本部(北九州)は28日、管制業務を担う海上保安庁の関門海峡海上交通センターとコンテナ船の無線交信の状況や、衝突までの航跡などを明らかにした。

同センターは、くらまとの距離が約2キロの地点でコンテナ船に前方の貨物船を追い越すよう誘導していたが、くらまに対しては衝突直前まで注意を促す交信をしていなかった。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091028-OYT1T01369.htm?from=main1
------------------------

これが本当だとすると,全面的に海保のミスのような感じです.

 | BLOG TOP |