今日,ある学生に「水理学の教科書を買うように」と言いました.
それも日野幹雄先生の「明快・水理学」を
この本は私が学生の頃に指定教科書だったのですが,当時は非常に難しく感じました
正直,たいして理解せずに単位を取りました.逆説的に言えば,教科書が無くてもたぶん授業ノートだけで単位は取れたと思います.
この教科書の有り難みが分かったのは,卒業してからです.細部まで非常に細かく説明してあって,18年経った今でも読み返しながら使っています.
私はわりと本を買うのが好きで,学生時代に土質力学や構造力学,コンクリート材料学,微積,線形代数とひととおり買っていました.そして,それらは今でも研究や授業に役立っています.
まったく異なる分野に就職するなら兎も角,環境・土木関係に進むのであれば,教科書は絶対に所蔵していた方がいいと思います.10年後20年後に役立ちます.
で,本題ですが(イントロながっ)
必殺仕分け人が政府予算の無駄をばっさばっさ切り捨てています
GXロケットのエンジン開発を廃止
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091117-OYT1T00540.htm?from=yoltop先端計測分析技術・機器開発プロジェクトの予算削減
(ノーベル賞・田中耕一氏が技術顧問をつとめる)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20091117-OYT1T00954.htm?from=main7成果・効果が不明,効率が悪いといったような理由のようです.
科学技術事業といえども国民の税金で運営している以上,一定の成果・効果は挙げるべきです.
しかし,それは今年来年の話でしょうか?
「水理学の教科書は難しくて理解できないから効果がないし,教科書が無くても単位が取れるから買わない」ということと似ています.
10年後20年後を見据えて,将来の国のあるべき姿を考えて投資すべきではないでしょうか.特に科学は目に見える成果が短期的には出にくい分野です.研究者として論文や報告書は1年ごとにいくらでも書けますので,それを研究成果だと言い張れば何とでもなります.教育者として学生に単位を取らせて卒業・就職させ,それを大学の教育成果だと言うことは出来ます.
でも,
本当の研究成果は,じっくりと腰を据えて試行錯誤を繰り返して得られるものです.寄り道,無駄のオンパレードかもしれません.研究内容にも流行がありますが,今華々しい成果を挙げている研究者は,日の当たらないときからコツコツと積み上げてきたのです.
大学の教育成果は人材です.卒業生が社会や国家をリードするようになって,あるいは家庭人となって子供達を教育するようになって,はじめて意味があるのです.そうなるまでには最低10年,大きな成果が見えるようになるには30年くらいはかかるでしょう.
ですから,目先の今ではなくて,遠い将来の展望をしっかりと議論しながら「仕分け」をしてほしいと願うばかりです.その日暮らしでは国がつぶれてしまいます.